2019年9月19日木曜日

ゆるりと東洋医学 静脈瘤

「東洋医学的に静脈瘤って何が原因と考えられるかな〜?」
と友人から質問を頂いたので、調べてみました。


東洋医学視点で診ると・・・

中医学では、静脈瘤のことを
「下肢青筋突起(かしせいきんとっき)」といいます。


『湿邪』が一つの原因と考えられます。


では、湿とは、どんな特徴があるのでしょうか。

「重濁性(重くどんよりしている)」、「下に沈む」、
「粘滞性」、「陽気の損傷」、「脾が影響を受ける」

などが特徴としてあげられます。


『湿邪』がメインの原因となり、
さらに次のように分けることができます。



◯湿熱瘀滞

 どんな症状?
 体の火照り、頭痛や頭が重い感覚、
    喉が乾くけれどあまり飲めない
 尿が濃い、舌に黄色い苔

 脂もの、甘いものの過食、
    お酒の飲み過ぎで湿熱が下肢に滞ったり、
 湿熱が脾臓を弱らせること、
   つまり、湿邪と熱邪が静脈瘤の原因となる考え方


 どうしたら良いの?
 清熱・祛湿(熱を清めて、湿を取り除く)


   どの場合も、シンプルに、
    邪となっているものを取り除きます。
    鍼灸治療又は、食べもので、
    邪を取り除くことがオススメです♪


   熱、湿を取り除く食べとは?
   白菜、セリ、大麦、粟、
   トウモロコシ、りんご、梨など






◯寒湿瘀滞

 どんな症状?
 しびれ、冷えると痛い、下痢、尿が薄い、舌に白い苔

 生ものや冷たい飲み物の過剰摂取、
    雨に濡れたまま放置したり、
 入浴後に髪を乾かさずに放置するなど、
    湿邪と寒邪が静脈瘤の原因となる考え方


 どうしたら良いの?
 温陽散寒(陽の気を高めて、寒さを散らす)

   


   どんな食材がオススメ?
   もち米、くるみ、鶏肉、羊肉、鹿肉、うなぎ、すっぽん





◯気虚血虚

 どんな症状?
 倦怠感、無力感、息切れ、顔色がシラク、唇や舌の色が淡い

 虚弱体質や慢性病
 気虚(気の力が弱い)によって
    血の輸送がうまくいかないことが
 静脈瘤の原因となるという考え方

 どうしたら良いの?
 補気 活血化瘀
 (気の力を高める・血液の汚濁を解消し、血行を良くする)

 どんな食材がオススメ?
 長芋、黒ごま、大麦、チンゲンサイ、鱈、酢





◯脾不統血

 どんな症状?
 血便や不正出血、顔色が淡白、食欲不振

 東洋医学では思考と臓腑が関係していると考えるので、
 思い悩みやすい人、脾を患いやすいとされています。


 どうしたら良いの?
 脾気を補うことで、
    統血作用(血が脈外に出ないようにする働き)を回復させる。

 どんな食材がオススメ?
 もち米、粟、大麦、舞茸、大豆、
    なつめ、青魚、生姜、香菜など



参考図書
症状による中医診断と治療  燎原書店
東洋医学の教科書   ナツメ社
東洋医学概論 医道の日本社